2023年度 北海道大学サマーセミナー「最新の知的財産訴訟における実務的課題――特許法をめぐって――」の3日目(8月28日)は、中山一郎北海道大学大学院法学研究科教授の「公衆衛生と特許権」、𠮷田広志北海道大学大学院法学研究科教授の「特許法におけるパブリック・ドメインの保護」でした。
中山教授の講義は、下記の内容でした。 1.はじめに 2.特許権と公衆衛生の基本的構図 3.伝統的対応策としての強制実施権 4.COVID-19パンデミック下での当初の議論 5.TRIPSウェイバー提案による議論の構図の変化 6.WHOでの議論 7.望ましい対応策とは 8.補論 下記に、詳細が記述されているとのことです。 •中山一郎「我が国における公衆衛生上の緊急事態と特許制度による対応可能性」知的財産研究教育財団編『医療と特許』152頁(創英社/三省堂書店、2017) •中山一郎「COVID-19パンデミックにおける公衆衛生と特許」知財管理71巻4号566頁(2021) •中山一郎「 COVID-19パンデミックと特許 強制か、それとも自発か」国際問題699号 28頁(2021) •中山一郎「COVID-19パンデミック下での特許保護と医薬品アクセスをめぐる議論の諸相」高林龍ほか編『年報知的財産法2021-2022』14頁(日本評論社、2022) •中山一郎「COVID-19パンデミックにおける公衆衛生と特許―TRIPS協定ウェイバー提案を踏まえて」田村善之編著『知財とパブリック・ドメイン第1巻』401頁(勁草書房、2023) •中山一郎「ワクチンへのアクセスと知的財産をめぐる国際的議論の行方」日本知財学会誌20巻1号掲載予定 𠮷田広志教授の「特許法におけるパブリック・ドメインの保護」は、一日目に講演された高部元判事の判決など、裁判所の判決をかなり批判する内容が多いものでした。現状を憂う論調で、共感する部分が多い内容でした。 『PD(パブリックドメイン)保護は緊急性が⾼い。→ PD侵⾷発明は、他社に対するパテントトロール⾏為である。知財部、研究開発を無駄な労⼒から解放し、本来の業務に専念させることでわが国の競争⼒を復活させる。問題把握はすでに済んでいる。もはや⾏動の時。』 サマーセミナー2023 https://www.juris.hokudai.ac.jp/riilp/event/summer-seminar2023.html 8月28日(月) 10:00-12:30 中山一郎北海道大学大学院法学研究科教授 公衆衛生と特許権 14:00-16:30 𠮷田広志北海道大学大学院法学研究科教授 特許法におけるパブリック・ドメインの保護
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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