「審判実務者研究会報告書2022」が3月24日に公表されました。
今年度の研究会では、5つの分野(特許の機械分野、化学一般分野、バイオ・製薬分野及び電気分野の4つの分野並びに商標分野)において、それぞれ①一般的な論点(数値限定発明におけるサポート要件、明確性要件、新規性判断における内在特性、相違点がビジネス方法,ゲームのルールや取決めに関する事項である場合の進歩性の判断,結合商標の類否判断など)と②個別事例(審判実務上重要と思われる裁判例及びその対象となった審決)について、 企業の知財担当者、弁理士、弁護士、審判官、裁判官が参加、実務上重要な論点及び争点につき多面的に検討しています。
論点1: 数値限定発明におけるサポート要件の判断方法について 論点2:どの程度の実施例が明細書に必要かについて 特許化学1(化学一般)分野では、「明確性要件」が取り上げられ、「特許請求の範囲の記載だけからでは,一義的に明らかとはいえない特定事項の明確性要件はどのように判断されるべきか。」が論点です。 特許化学2(医薬、バイオ)では、「新規性判断における内在特性」が取り上げられ、3つの論点で議論されています。 論点1: 本件発明において特定された事項(性質など)が引用文献に記載されていないが,引用発明に内在されていると認められるのはどのような場合か。 論点2: 本件発明の発明特定事項が,引用発明の内在特性であるとして相違点とはならないことを理由に拒絶または無効にされないために,出願人はどのように明細書を作成すべきか。また権利化後に特許権者はどのように反論を準備すべきか。 論点3: 引用発明を追試することによって引用発明の内在特性を明らかにする等の事後的資料の参酌は,どのような場合に認められるべきか。 特許電気分野では、「相違点がビジネス方法,ゲームのルールや取決めに関する事項である場合の進歩性の判断について」が取り上げられ、3つの論点で議論されています。 論点1: 相違点が,ビジネス方法,ゲームのルールや取決めに関する事項である場合において,進歩性を否定するためには,証拠を示すべきか。また示す必要がない場合があるとすれば,どのような場合であるか。 論点2: 相違点が,ビジネス方法,ゲームのルールや取決めに関する事項である場合において証拠を用いて進歩性を否定する場合,証拠としてはどの程度の記載が求められるのか。またどのような動機付けが必要となるか。 論点3: 進歩性が肯定されるためには,発明該当性との関係も踏まえ,相違点がどのような事項であれば良いのか。 商標分野では、「結合商標の類否判断」が取り上げられ、4つの論点で議論されています。 論点1:結合商標の構成中に周知(著名)商標を含む場合 論点2:結合商標の構成部分に識別力の強弱がある場合 論点3:図形と文字の結合の場合 論点4:取引の実情の考慮
特許化学1 ソルダペースト組成物及びリフローはんだ付方法 無効2015-800058 特許化学2 抗ErbB2抗体を用いた治療のためのドーセージ 無効2016-800071 特許電気 情報処理装置及び方法,並びにプログラム 不服2019-014077 商標 六本木通り特許事務所 不服2019-011255 じっくり読もうと思います。 「審判実務者研究会報告書2022」が公表 https://www.jpo.go.jp/news/ugoki/202303/2023032401.html https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/kenkyukai/document/sinposei_kentoukai/2022_houkokusyo_honpen.pdf https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/kenkyukai/document/sinposei_kentoukai/2022_houkokusyo_youyaku.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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