知的財産事件に携わる実務家を対象として、北海道大学大学院法学研究科が毎年開催されているサマーセミナー「最新の知的財産訴訟における実務的課題」、今年度は、著作権・不正競争・意匠・商標に関する課題を取り上げています。
今年は、北大での講義がオンライン(Zoom)でもライブ配信されています。 8月28日午後の藤野弁護士「企業内実務者のための商標法講義~応用的論点を中心に」、8月29日午前の田村教授「不正競争防止法・商標法関連事件におけるアンケート調査の意義」、と商標権、不正競争防止法に関する部分の講義を聴講しました。 藤野弁護士の話は、企業部内実務者であれば皆感じている「理想と現実のギャップ」、「Trademark thicket(商標の藪)」、ギャップを埋めるための選択肢、『形式的コンプライアンス・マインド』など共感しました。 田村先生の講義では、アンケート調査が役立つ場合、実施の際の留意点がよくわかりました。 2022年度 北海道大学サマーセミナー 最新の知的財産訴訟における実務的課題――著作権・不正競争・意匠・商標編―― https://www.juris.hokudai.ac.jp/riilp/event/summer-seminer2022.html 開催日時 2022 年 8 月 28 日(日) 14:00 ~ 16:30 科目名 企業内実務者のための商標法講義~応用的論点を中心に 講師 藤野 忠(西早稲田総合法律事務所代表弁護士) 内 容 商標の出願・登録件数は近年増加傾向にあるが、その帰結として、事業者が新たな商標を採択する上での選択の幅が狭まり、クリアランスの負担を過度に生じさせる等、企業活動に好ましからざる影響を与えることも懸念される。そこで本講義では、近年の立法政策や審判決例、さらには仮想空間等、新たな領域での商標の使用に係る問題等にも触れつつ、商標の「使用」概念や権利行使制限規定の意義等を再確認することを通じて、登録主義を採用する我が国の商標法の下でのバランスの取れた商標保護の在り方について考えてみたい。 開催日時 2022 年 8 月 29 日(月) 10:00 ~ 12:30 科目名 不正競争防止法・商標法関連事件におけるアンケート調査の意義 講師 田村 善之(東京大学大学院法学政治学研究科教授) 内 容 不正競争防止法や商標法にかかる訴訟においては、周知性、著名性、類似性、混同のおそれ、普通名称化などの要件の立証のために、各種アンケート調査がしばしば用いられる。本講演では、裁判例におけるこれらの要件の実像を紹介するとともに、アンケート調査が役立つ場合を特定したうえて、実施の際の留意点を解説する。
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著者萬秀憲 アーカイブ
April 2025
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