ダイキン工業は、2018年12月に東京大学と産学協創協定を締結し、10年間で100億円を約束し、東大にダイキンの部長級を含むスタッフ約20人が常駐し、ダイキンの技術者約700人が東大を訪れ共同研究へ議論を進めるなど、「組織」対「組織」の産学連携の推進を進めてきましたが、2020年からはさらに予算を当初の倍の年間20億円に引き上げ、ダイキンの研究拠点に東大の研究者約100人を受け入れ共同研究を始めています。
この活動の中核になっているのが、ダイキン工業が2015年に設立した「テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)」で、ここに集められた技術者約700人のうち7割程度がオープンイノベーションを通じた新たな価値創造に取り組んでおり、TICには本社の知財部門と密に連携した知財部門が配置され、協創活動に伴う知財面のとりまとめを担当しているとのことです。 ダイキン工業の本気度、東京大学の本気度がわかります。この動きが多くの日本企業、大学に波及し、日本社会を変えるトリガーになってほしいと願っています。 吉野次郎ら, ソフトバンク、ダイキン、IBM──、東大の産学連携は異次元に, 日経ビジネス 2020年6月5日 https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00447/ ダイキン、東⼤から研究者100⼈ AIや化学で技術⾰新, ⽇本経済新聞 電⼦版2020/2/22 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55897370Q0A220C2962M00/ ダイキン工業、オープンイノベーション部門に知財機能を設置し、調査・出願の側面から協創活動を円滑化, 特許庁 経営における知的財産戦略事例集P.34(2019) https://www.jpo.go.jp/support/example/document/keiei_senryaku_2019/keiei_chizaisenryaku.pdf 河原克己(ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 副センター長), ダイキン工業における協創イノベーションの取組み, 2019年4月5日未来投資会議 構造改革徹底推進会合「企業関連制度・産業構造改革・イノベーション」会合 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/innov/dai4/siryou5.pdf ダイキン工業は2018年12月に東京大学と産学連携協定を結びました。今後、社会で重要性が増す「空気の価値化」を軸にイノベーションを生みだすことを目指します。研究者の相互派遣や、東大発スタートアップ企業との協業を加速。10年間で100億円規模の研究資金の提供もします。自前主義を脱却し、外部の異質な人材と新しい価値を創造するため、これまでの産学連携ではあまり例を見ない大胆な大規模人材交流の手法など、連携協定の内容を聞きます。 ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター 副センター長 河原 克己, 「ダイキン×東京大学 産学協創“空気の価値化”でイノベーション創造」, シリーズESG #17, 放送日時2019年3月20日(水) 08:29-08:40 https://markets.nikkei-cnbc.co.jp/watch/vod/22930 下記は、東京大学側の資料です。 大学の役割を拡張し、 変革の原動力とするには ~大学改革の拡大・加速~ 2020.2.21 国立大学の戦略的経営実現 に向けた検討会議(第1回)東京大学総長 五神 真 https://www.mext.go.jp/content/20200226-mxt_hojinka-000005220_6.pdf また、ダイキン工業は、オープン領域と下地球温暖化への影響を低減する基本技術の特許を無償開放し、グローバルに技術を普及して、市場を拡大するとともに、クローズ領域の競争力のある特許で競争力を確保して販売台数を拡大しています。 特許庁 経営戦略を成功に導く知財戦略【実践事例集】, p40(2020) https://www.jpo.go.jp/support/example/document/chizai_senryaku_2020/all.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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