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進歩性判断における周知技術

30/6/2022

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拒絶理由通知書の引用文献の欄に、「周知技術」が挙げられている場合があります。
<引用文献等一覧>
1.特開〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇号公報
2.特開〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇号公報(周知技術を示す文献)
というように。
周知技術を根拠にしているときには、審査官が適当な引例を挙げられなかったから「周知技術」と無理な認定をした場合と、そうでない場合があります。無理な認定をした場合はチャンスですが、そうでない場合は、ひっくり返すのはかなり難しくなると考えられます。
「周知技術」は、「副引用発明」、「設計変更等の根拠」「当業者の知識若しくは能力の認定の基礎」のどれかに該当すると考えられ、一般的にはそれぞれ対応が異なります。
  • 周知技術が「引用発明」の場合、審査官は「本発明と引用発明1(=主引用発明)とは相違点があるものの、その相違点は周知技術である。」と認定しており、さらに「周知技術であることの証拠としては、例えば引用文献2が挙げられる。」と言っているので、意見書で「引用発明1(=主引用発明)と、引用文献2とを組み合わせる動機づけはない」というような反論をしてもダメな場合がほとんどです。審査官が周知技術であるとした根拠を覆すことで周知技術ではないという反論をすべきでしょう。
  • 周知技術が「設計変更等の根拠」の場合、「顕著な効果」を主張して、単なる設計事項ではないと反論する必要があります。
  • 周知技術が「当業者の知識若しくは能力の認定の基礎」の場合、審査官が周知技術であるとした根拠を覆すことで周知技術ではないという反論をすべきでしょう。
さらに、深く突っ込むには、「進歩性判断における周知技術・技術常識の位置づけ」パテントVol. 72 No. 6  p.35  2019を読むことを薦めます。
https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3242
容易想到性が否定される場合において,「引用発明に周知技術を適用することにより」あるいは「引用発明並びに技術常識及び周知技術に基づいて」,当業者が容易に発明することができたものであるからというように,主たる引用発明に周知技術が参酌されて容易想到と判断されるケースがある。かかる場合の周知技術(周知例)は,従たる発明(副引例)としての位置づけであるのか,出願当時の技術水準を参酌したことによるものであるのかは,事件により様々である。さらに,周知技術(周知例)が参酌される場合の進歩性判断の手順についても事件によって相違し,裁判所で統一的扱いはされていないようである。本稿では,容易想到性の判断において,周知技術が参酌された場合の裁判例に基づき,進歩性判断における周知技術の位置づけ,さらに引用発明及び周知技術に基づき(又は周知技術適用により)容易想到性が肯定される場合の論理付けについて考察した。
 
 
特許・実用新案審査基準 第 III部 第2章 第2節 進歩性
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/03_0202.pdf
2. 進歩性の判断に係る基本的な考え方
「周知技術」とは、その技術分野において一般的に知られている技術であって、例えば、以下のようなものをいう。
(i)その技術に関し、相当多数の刊行物(「第3節 新規性・進歩性の審査の進め方」の3.1.1参照)又はウェブページ等(「第3節 新規性・進歩性の審査の進め方」の3.1.2参照) (以下この章において「刊行物等」という。)が存在しているもの
(ii)業界に知れ渡っているもの
(iii)その技術分野において、例示する必要がない程よく知られているもの
「慣用技術」とは、周知技術であって、かつ、よく用いられている技術をいう。
 
3.3 進歩性の判断における留意事項
(3)審査官は、論理付けのために引用発明として用いたり、設計変更等の根拠として用いたりする周知技術について、周知技術であるという理由だけで、論理付けができるか否かの検討(その周知技術の適用に阻害要因がないか等の検討)を省略してはならない。
 
特許・実用新案審査基準 第III部第2章第3節新規性・進歩性の審査の進め方 
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/03_0203.pdf
5.3 進歩性の判断に係る審査の進め方
(3)審査官は、拒絶理由通知又は拒絶査定において、論理付けに周知技術又は慣用技術を用いる場合は、例示するまでもないときを除いて、周知技術又は慣用技術であることを根拠付ける証拠を示す。このことは、周知技術又は慣用技術が引用発明として用いられるのか、設計変更等の根拠として用いられるのか、又は当業者の知識若しくは能力の認定の基礎として用いられるのかにかかわらない。


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