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​よろず知財コンサルティングのブログ

富士フイルムのIPランドスケープ

27/8/2020

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.8月27日 富士フイルムのIPランドスケープ
 
 株式会社テックコンシリエ、知財教育協会共催、ユーザベース「SPEEDA」、ビューロー・ヴァン・ダイク「Orbis IP」協賛による公開WEBセミナー第1弾「知財部門に未来志向のイノベーション提案ができるのか?~アフターコロナ、新時代のテックリーダーのあり方を考える~」が7月17日に開催されました。
 その中から、特別ゲストの某精密化学メーカー(富士フイルム株式会社)の知的財産部統括マネージャーによる基調講演「イノベーション活動における知的財産部の貢献のあり方」がフェイスブック上にアップされましたので視聴しました。
富士フィルムの取組みの一端が話されていますので参考になります。
 
富士フイルムは、下記のように、多くの知的財産権を保有しています。
 
特許行政年次報告書2020年版では、特許登録件数上位200社(2019年)中16位
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2020/document/index/0210.pdf
 
【化学】特許資産規模ランキング トップ3は富士フイルム、三菱ケミカル、住友化学
https://www.patentresult.co.jp/news/2019/10/chemistry.html
 
【化学】他社牽制力ランキング2019 トップ3は富士フイルム、三菱ケミカル、花王
https://www.patentresult.co.jp/news/2020/06/fcitchem.html
 
工藤一郎国際特許事務所の最新の特許競争力指標(YK値)による企業ランキングでは、大型株で、富士フイルムは5位
http://www.kudopatent.com/_userdata/PDF/KudoPat_press_release20200806.pdf
 
富士フイルムは知的財産部門のトップが役員級であり、知的財産を積極的に保護、活用することで、幅広い事業の競争力強化に寄与してきたのが特徴のようです。
 
今井正栄、Interview「事業転換期において知財部が果たすべき役割」、IP Business Journal 2017/2018
http://www.lexis-seminar.jp/wp-content/uploads/2017/10/%E3%80%90WEB%E7%94%A8%E3%80%91IPBJ_2018.pdf

富士フイルム株式会社 執行役員・知的財産本部長の今井 正栄氏が、IP Business Journalのインタビュー記事で下記のように話しています。

最近では知財部からの積極的な情報等の発信業務を求められています。事業の失敗を防ぐことを目的に、自社の製品やサービスが他社特許に抵触しないかどうかを調べることを主眼にしていた活動から、自社の戦略や事業を成功に導くことを目的とした知財重視の経営戦略、いわゆるIPランドスケープを作れるような知財部となるよう取り組んでいます。
IPランドスケープという概念は決して新しいものではなく、当社でも以前から取り組んでいることですし、大手企業と呼ばれるところはどこも既に着手しています。今後はこの取組みをさらに加速していく考えです。

 
鈴木俊昭、富士フイルムにおけるグローバルビジネス展開と知的財産戦略
https://www.inpit.go.jp/content/100554924.pdf
 
 
また、外部からも高い評価を受けています。
 
特許庁、社長直下の知財機能が成功確度の高い将来事業領域へのリソース配置等に寄与、経営における知的財産戦略事例集、P57
https://www.jpo.go.jp/support/example/document/keiei_senryaku_2019/keiei_chizaisenryaku.pdf
 
富士フイルムでは、特許権に含まれる多種多様な「情報」に着目し、これらの情報を多様な公知情報と組み合わせ、経営戦略の策定に価値ある情報を知財機能から提示しており、知財機能が「インテリジェンス機能」としても機能している。
例えば経営層向けには、潜在的な競合企業のIPランドスケープを作成し、自社との比較を行うことで自社の強みと弱み、他社の強みと弱みを認識し、より成功確度の高い将来事業領域を抽出・提案している。特に、今後進出を検討する事業分野においては、事業部がマーケットから得られる情報が限られることから、特許情報に基づく分析が価値を持つ。同社は本業務を7~8年間に渡り試行錯誤を繰り返しながら実施してきたことで、ノウハウを蓄積してきた。
なお、事業部において競合となる対象企業が明らかな場合、事業部と中長期的な戦略を定期的に共有し、事業戦略に即した分析を実施している。
 
富士フイルムでは、経営戦略、R&D戦烙、知財戦略を一体的に実行するための知的財産本部を構築。過去10年弱に渡り、出顧以外の戦略系業務(情報分析・出顧戦略業務)を年々拡大させており、かつて研究開発部門内にあった知財部門は現在、社長直下の部門となっている。これにより、知財部門が経営計画の策定・事業戦略の立案などの多様な役割を担うようになり、顆られる部門へと進化してきた。
なお、知財部門では、特許に限らずノウハウ等も「技術資産」として特定し、これらを一括して管理し、全社の幅広い無形資産を統合的にマネジメント可能な体制を構築している。
 

 
藤掛康伸、「IPランドスケープ」で知財情報を経営判断に活かす
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/opinion/business/pdf/business171002.pdf
富士フイルムHDの場合は、「銀塩写真」で培った基盤技術やコア技術を活用して医療機器分野に進出し、自社で不足している技術は企業買収で補うなど、「オープン戦略」と「クローズ戦略」をうまく組み合わせています。同社の知的財産本部は、他社競合分析によりビジネス上の俊位性を確立する戦略目標・方針を提案したり、製品の優位性を発揮するための工業標準策定活動をけん引したりするなど、同社の事業戦略を支援する役割を担っています。
 
 

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