国立情報学研究所ならびに大学の情報環境のあり方検討会は、大学等における遠隔授業や教育DX等に関する情報を共有することを目的に、2020年3月末より週1回から隔週のペースで、大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」を継続的に開催しています。
11月13日には、第71回が行われました。最近は、ChatGPTの活用事例の報告が多くなっており、今回も3件の発表がありました。 6.「大規模言語モデルChatGPTを活用した翻訳トレーニングと外国語教育」 山田 優 立教大学異文化コミュニケーション学部/研究科・教授 7.「医学教育環境の変革:ChatGPT搭載の医療面接チャットボットの紹介」 山本 憲 京都大学医学部 医学教育・国際化推進センター 講師 8.「病院におけるChatGPT-4V活用 -マルチモーダルAIの可能性-」 中村 賢治 群馬大学医学部先端医療開発センター・数理データ科学教育研究センター・講師 現時点では資料は公開されていますが、アーカイブ動画は公開されていないようです。(第70回までは公開されていますので、そのうち公開されるはずです。) 教育現場での活用がもっと進むことを期待しています。 【第71回】 大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(11/13 オンライン開催) https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/ 6.「大規模言語モデルChatGPTを活用した翻訳トレーニングと外国語教育」 山田 優 立教大学異文化コミュニケーション学部/研究科・教授 https://www.nii.ac.jp/event/upload/20231113-06_Yamada.pdf 概要 本講演では、大規模言語モデル(LLM)、特にChatGPTを用いた翻訳トレーニングと外国語教育への活用方法に焦点を当てて説明する。まず、既存の機械翻訳(MT)での課題や、それをChatGPTがどのように乗り越えるかの事例を紹介する。さらに、翻訳のプロンプトを作成する方法の考え方を解説する。この翻訳のプロンプト作成アクティビティが外国語学習におけるメタ言語能力の向上に寄与すると考えられる点についても触れる。 11:55 生成系AI② 7.「医学教育環境の変革:ChatGPT搭載の医療面接チャットボットの紹介」 山本 憲 京都大学医学部 医学教育・国際化推進センター 講師 https://www.nii.ac.jp/event/upload/20231113-07_Yamamoto.pdf 概要 本講演では、医学部学生の医療面接教育にChatGPTを活用したチャットボットの取り組みを紹介します。医療面接教育は、診療参加型臨床実習前の大切なテーマで、新しい教育方法が求められています。このシステムは、学生が模擬患者役チャットボットと対話し、コミュニケーション能力を育成します。学生は基本的なスキル習得と患者コミュニケーションの価値を実感し、教育者も学生が模擬患者医療面接実習の準備と自信が向上すると評価しています。今後はシステムの改良と医学教育への貢献を目指します。 12:15 生成系AI③ 8.「病院におけるChatGPT-4V活用 -マルチモーダルAIの可能性-」 中村 賢治 群馬大学医学部先端医療開発センター・数理データ科学教育研究センター・講師 https://www.nii.ac.jp/event/upload/20231113-08_Nakamura.pdf 概要 病院では地域の病院や各診療科と情報共有をする必要があるが、データのフォーマットが異なることが多く、事務員の判断や複雑な業務が多い。また、高度な医療内容や図・表については専門家の知見が必要であり、RPA等の自動化も導入が困難な場合がある。その中で、ChatGPTに実装されたマルチモーダルAIは非常に高い性能を持ち、テキスト・画像・図表等のデータを統合的に扱うことができる。この機能を実装したChatGPTを用いた業務改善・効率化の事例を紹介し、その可能性を示唆する。
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著者萬秀憲 アーカイブ
January 2025
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