文部科学省は、7月13日に、大学などでの教育活動における生成AIの取り扱いについて、それぞれの大学に指針を作るなどの対応を促す通知を出しました。
利活用可否の検討、利活用が想定される場面例として、「生成 AI を利活用することが有効と想定される場面としては、例えば、ブレインストーミング、論点の洗い出し、情報収集、文章校正、翻訳やプログラミングの補助等の学生による主体的な学びの補助・支援などが考えられる。この他にも、生成 AI は、今後さらに発展し社会で当たり前に使われるようになることが想定されるという視座に立ち、生成 AI の原理への理解、生成 AI へのプロンプト(質問・作業指示)に関する工夫やそれによる出力の検証、生成 AI の技術的限界の体験等により、生成 AI を使いこなすという観点を教育活動に取り入れることも考えられる。また、上記の学生による利活用以外にも、教員による教材開発や、効果的・効率的な大学事務の運営等に利活用することも考えられる。」 留意すべき観点として、生成AIの回答内容に事実関係の間違いが含まれることや、個人情報の流出、著作権の侵害などのおそれがあることも挙げ、取り扱いの方針やルールに反した場合の措置なども検討して示すことが望ましいとしています。 大学生の生成系AI活用実態を調査した結果が、7月7日にオンライン開催された【第67回】 大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」の発表のひとつ「大学生の生成系AI活用実態と今後の展望」(約14分)です。九州大学の発表です。 https://www.youtube.com/watch?v=wWYryI0RdvE 大学生のAI利用意識_アンケート調査(n=584)では、生成系AIの利用経験(活用している26.9%、触れたことがあるが活用していない35.8%)、生成系AIへの期待(10段階の7点以上が7割以上で、期待が高い)、AI活用への抵抗感(抵抗感があるのが2割弱、抵抗感なしが6割以上)、なるほどという結果です。 各大学の生成系AIへの対応調査では、AI 活用䛾ガイドライン (n=61)をみると、2割が推進、2割が規制、5割が中立。 大学生の生成系AI活用事例では、事例 ①:就活における活用事例(短期間で多くの企業のページの確認を効率化したくて、 ChatGPT で自分が知りたい情報のみを抽出してもらう)、事例 ②:プログラミングにおける事例1 (詳しくなくても、周りに聞ける人がいなくても一人でプログラムを書くことができた)、事例 ③:プログラミングにおける事例2(まずは自力で解決を試み、検索しても分からない場合 ChatGPT に解決策を求める)。 学生の生成系AI活用事例は、作業の効率化、スキル活用の補助の2つのカテゴリに分けられる。 九州大学で生成系AI活用が進んでいる理由は、多くの学部でプログラミングの授業が必修となっているので、プログラミングに触れた経験があるため、活用のイメージが湧きやすいため。 今後の展望は、大学生にとって生成系AI䛿よきパートナーとなる。活用で学びが加速。 資料 https://www.nii.ac.jp/event/upload/20230707-06_Norizoe_Yi_Ikeda.pdf 生成AIの取り扱い 大学に指針を作るなどの対応促す通知 文科省 2023年7月13日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230713/k10014128551000.html 大学・高専における生成 AI の教学面の取扱いについて(周知) https://www.mext.go.jp/content/20230713-mxt_senmon01-000030762_1.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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