9月27日に開催された「新しい資本主義実現会議」を踏まえ、岸田首相は国内投資促進に向けた施策のひとつとして、「イノベーションボックス税制」を創設する考えを示しました。
国内での研究開発によって生まれた特許権や、著作権で保護されたソフトウェアなどの知的財産から生じる所得(ライセンス所得、譲渡所得、それらの知財を組み込んだ製品の売却益など)に優遇税率を適用するもので、企業の研究開発拠点を国内に留め、イノベーションを促進することなどが狙いということのようです。 『国内投資促進については、第1に、米国等の税制措置も参考に、蓄電池、電気自動車、半導体など戦略分野の国内投資について、新たな減税制度を創設するなど、成長力の強化に資する減税の実施を図ります。 第2に、特許権等の知的財産から生じる所得に関して減税を行う、イノベーションボックス税制の創設を図ります。 第3に、ストックオプションを使い勝手のよいものとするための法制整備や減税措置の充実を検討するなど、イノベーションをけん引するスタートアップ等への支援、これを強化してまいります。』 というように、国内投資促進の3つの柱のうちのひとつ(2番目)という位置付けです。 第22回新しい資本主義実現会議 ー令和5年9月27日(約4分) https://www.youtube.com/watch?v=3XgMu_dlo_A 新しい資本主義実現会議 総理の一日 更新日:令和5年9月27日 https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202309/27shihon.html 令和5年9月27日、岸田総理は、総理大臣官邸で第22回新しい資本主義実現会議を開催しました。 会議では、「新しい資本主義の推進について(案)」について議論が行われました。 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。 「本日は、経済対策の議論を開始したことを受けて、持続的賃上げと国内投資促進を中心に、3年間の変革期間で、コストカット型の『冷温経済』を、持続的な賃上げや活発な投資がけん引する適温の成長型経済へ転換する手法について、御議論いただきました。 三位一体の労働市場改革やスタートアップ育成による企業の新陳代謝など、新しい資本主義の実行計画を変革期間で早期に実行します。 加えて、経済対策においては、持続的賃上げについて、第1に、賃上げ税制の減税措置の強化を図ります。 第2に、中小・小規模企業の賃金引上げのため、省人化・省力化投資への支援を実施することとし、カタログから選ぶように、使いやすい措置といたします。地方においても賃上げが広がるよう、工場等の新設を支援いたします。経営者保証を不要とする信用保証制度を年度内に創設いたします。 第3に、取引適正化に向けて、地元の最低賃金の上昇率や春闘の妥結額を基礎に価格交渉を行うなど、労務費転嫁の分かりやすい指針を年内に公表いたします。 第4に、非正規労働者と正規労働者の同一労働・同一賃金制について、対応が不十分な企業に対して指導を行うとともに、在職中の非正規労働者に対するリ・スキリング支援を開始いたします。 第5に、資産運用立国については、金融担当大臣を中心に、年内に政策プランを策定してもらいます。 そして、国内投資促進については、第1に、米国等の税制措置も参考に、蓄電池、電気自動車、半導体など戦略分野の国内投資について、新たな減税制度を創設するなど、成長力の強化に資する減税の実施を図ります。 第2に、特許権等の知的財産から生じる所得に関して減税を行う、イノベーションボックス税制の創設を図ります。 第3に、ストックオプションを使い勝手のよいものとするための法制整備や減税措置の充実を検討するなど、イノベーションをけん引するスタートアップ等への支援、これを強化してまいります。 本日取りまとめた、新しい資本主義の推進についての重点事項に沿って、新藤大臣を中心に関係大臣協力して、経済対策の取りまとめと施策の具体化を進めていただきたいと思います。 有識者各位の引き続きましての御協力をお願い申し上げます。」 新しい資本主義実現会議(第22回) 令和5年 9月27日(水) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai22/gijisidai.html 新しい資本主義の推進についての重点事項(案) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai22/shiryou1.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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