三菱電機は2017年に、自前主義からの脱却を掲げてスタートアップとのオープンイノベーションに乗り出しました。「世界一流の技術を持つ機関との連携で、世界で勝てる技術を創出」の主体となったのは研究開発部門に当たる開発本部のデザイン研究所に設置した「未来イノベーションセンター」で、事業部門や研究部門との橋渡し役を担っています。
三菱電機は企業別の国際特許出願件数で2019年に世界2位、日本で1位を獲得するなど知的財産を重要な経営資源と位置付けていますが、自社に足りないピースの取り込み(「FAシステム」や「電力・産業システム」といった既存の事業部門にない技術を明確にし、ベンチャーキャピタルなどとともに協業先となるスタートアップを探す)と、研究所で埋もれた技術を外部に開放する、という2つの取組みが柱です。 50程度の案件を進めてきた3年間で実証実験に進んだのは8件にとどまり、いずれも実用化には至っていないとのことで、踊り場にきているようです。 今年4月には、従来の縦割り組織の弊害を改め事業本部間の連携を増やし、新たな事業を創出するのが狙いに、BI本部が設置され、BI本部が起点となり、外部企業と新たな事業を創出する「オープンイノベーション」を推進する方針も打ち出し、スタートアップに100億円を投資することも決めたということです。 黄金崎元, 「優等生」三菱電機、縦割り弊害を打破 オープンイノベーションに転換, 10/5(月) 7:17配信, (SankeiBiz) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/283a5fc61e64fdf2609921d61e039e48253ff627 佐伯真也, オープンイノベーションは難しい、それでも止めぬ三菱電機, 日経ビジネス2020年6月12日 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00112/061200006/ 新時代を創る日本発の「ものづくり」のかたちー三菱電機・未来イノベーションセンターのOI戦略, 2020年05月25日 https://tomoruba.eiicon.net/articles/1772 加藤恒, 変革の時代に向き合う知財戦略とは?, グローバル知財戦略フォーラム2020 https://www.inpit.go.jp/katsuyo/gippd/forumkokunai/forum_kokunai2020.pdf 藤田正弘, 三菱電機の研究開発戦略,三菱電機株式会社HP, 2019年2月 https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2019/0213-a.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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