IPジャーナル第24号に金沢工業大学大学院 杉光一成 教授らが寄稿された「重要特許が企業の財務データに及ぼす影響の一考察」では、「同⼀IPC分類における年平均被引⽤回数の上位5%」という計算式から算出される指標として「重要特許」という言葉を用いています。
「仮説1(H1):重要特許(MPS)の数が多いほど、当該年度の利益率が高くなる」という仮説は支持されず、「仮説2(H2):重要特許(MPS)の数の財務指標への影響には時間経過が必要である。」という仮説は支持されたということです。 重要特許(MPS)の数の財務指標への影響は、「概ね7年から10年後」という結果も、納得感があります。 重要特許が企業の財務データに及ぼす影響の一考察 金沢工業大学大学院 イノベーションマネジメント研究科 教授 杉光 一成 筑波大学 ビジネスサイエンス系 教授 立本 博文 株式会社SBI証券 金融調査部 チーフクオンツアナリスト 波多野 紅美 三井物産株式会社 建機・輸送車両事業部 部長補佐 天野 達郎 IPジャーナル第24号 発行日:2023年3月15日 http://fdn-ip.or.jp/files/ipjournal/vol24/IPJ24_26_38.pdf 本研究では、杉光・立本(2022)で提案されている新しい指標の1つである「重要特許」(同一IPC分類における年平均被引用回数の上位5%)に着目し、本指標と財務データ(ファンダメンタル特徴)に及ぼす影響について2つの仮説の検証を試みた。その結果、仮説1「重要特許の数が多いほど当該保有年度の利益率が高くなる」は支持されず、仮説2「重要特許による財務指標への影響には時間差がある」は支持された。その結果、「重要特許」の指標は時系列分析に適した指標であることがわかった。 コーポレートガバナンス・コード改訂に伴う知的財産に関する KPI 等の設定(中間報告) 杉光 一成 東京大学未来ビジョン研究センター 客員研究員 金沢工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科 教授 立本 博文 筑波大学ビジネスサイエンス系 教授 IFI Working Paper No.10 January 2022 https://ifi.u-tokyo.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/WP010.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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