月刊パテント2024年10月号に掲載されている、杉村萬国特許法律事務所 藤本 一弁理士の論考「意匠法における創作者の認定」からは、生成 AI を利用したデザインが多量に創作されている中、生成 AI を利用したデザインを創作している創作者(デザイナーなど)が、デザインの過程の記録を残しておくことの重要性を感じます。
要約 まず、従前の裁判例を検討し、真の創作者を主張する者にとって、供述のみでその主張が認められることは通常困難で、相応の物的証拠の提出が求められること、したがって、意匠を創作したと考える者が、その創作に関する記録を残しておくことの重要性を確認する。次に、私見として、創作者の認定に当たっては、❶係争対象意匠の「創作的特徴」を要部認定と同様の手法で把握し、❷創作者と主張する者が「創作的特徴」の創作的な作出を行ったといえるか、を検討すべきであることを提示し、裁判例も、おおむね妥当であることを示す。最後に、それら検討との関連で、生成 AI を利用したデザインについて、問題提起を行う。そして、今後、デザインの過程の記録を残しておくことの重要性がさらに増すであろうことを指摘する。 目次 1.はじめに 2.裁判例 2.1 検討対象一覧 2.2 事案の類型 2.3 提出された証拠による分類 2.4 判決で述べられた一般論 3.若干の検討 3.1 基本的な考え方 3.2 裁判例の評価 4.まとめに代えて:生成 AI と意匠の創作 4.1 生成 AI を利用したデザイン 4.2 いわゆる僭称問題への対応 4.3 主張立証責任 意匠法における創作者の認定 https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4513 Recognition of the Creator under the Design Law From the article "Recognition of the Creator under the Design Law" by Tsuyoshi Fujimoto, a patent attorney at Sugimura & Partners, published in the October 2024 issue of the monthly magazine Patent, we can see that it is important for creators (designers, etc.) who create designs using generative AI to keep a record of the design process, as a large number of designs are created using generative AI.
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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