三菱電機が10月1日に公表した調査報告書には、品質不正の経緯のほか、三菱電機の企業体質をうかがわせる従業員の証言が示されているということで、代表的なものが、「長崎製作所には、『言ったもん負け』の文化のようなものがある」(170ページ)という証言。
「いままで、これでやってきたんで。このとおりやりなさい」(189ページ) 「通報がとりあげられても、結局は、問題の是正を行うのは工場の現場」(161ページ) 「ヘタに突っ込むと、生産が成り立たなくなるかもしれないため、換算の具体的な内容は確認しなかった」(231ページ) 「三菱電機の課長にまでなった従業員が不正を隠蔽することはないだろうと思っていた」(257ページ) 調査報告書によると、 「三菱電機の全従業員5万5302名に対するアンケート調査を実施した。品質に関わる問題の申告数は延べ2305件に上る。」 「1.直接的な原因 (1) 規定手続きで品質を証明する姿勢の欠如と「実質的に問題がなければよい」という正当化、(2) 品質部門の脆弱性、(3) ミドル・マネジメント(主に課長クラスなど)の脆弱性、(4) 本部・コーポレートと現場との距離・断絶」 「2真因分析:組織論、風土論 (1) 拠点単位の組織構造―製作所・工場あって、会社なし、(2) 事業本部制について、(3)経営陣の本気度」 知的財産に関する造詣が深い柵山正樹取締役会長が「監督責任を痛感している」と退任されたのは残念ですが、報告の指摘は風土、組織、ガバナンス(統治)に関わる広範囲なものであり、早急かつ抜本的な対応が期待されます。 「言ったもん負けの文化」 三菱電機の調査報告書から 2021年10月1日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC01AAI0R01C21A0000000/ 三菱電機の品質不正問題、調査報告書要旨 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC017RM0R01C21A0000000/
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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