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​よろず知財コンサルティングのブログ

日立の知的財産戦略

20/9/2020

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LexisNexis Virtual IP Conference IP Drives Business Growth (2020年9月16日~18日)の2番手は、株式会社日立製作所 知的財産本部 知財戦略部 部長 比嘉 正人 氏でした。
​ 「日立の知的財産戦略 - 知的財産戦略の過去、現在、そして未来」と題して、今年110周年を迎える日立製作所における知的財産への取り組みについて、過去から現在に至るコンセプトや活動の変遷を紹介し、更に、未来に向けた新しいコンセプトについて紹介されました。
 
日立製作所の過去の知財取組みに関しては、「知財のレベル5段階」(「役員室にエジソンがいたら」)により説明。
(個人的にはこの説明は非常にわかりやすいのですが、レベル3のあたりでいろいろ問題があるように思っています。)

レベル1)ディフェンス
レベル2)コスト・コントロール、
レベル3)プロフィットセンター、
レベル4)インテグレーション、事業と知財戦略の統合
レベル5)ビジョン、未来を創る
で、日立は、現在レベル4で、レベル5にチャレンジしている。
レベル1:1910年から現在まで
レベル2:1970年代後半から現在まで
レベル3:1980年代後半から現在まで
レベル4:2000年代後半から現在まで
レベル5:2010年代後半から現在まで
 
現在については、「知財マスタプラン」「LUMADA」で、事業と知財戦略が一体化したレベル4。未来は、レベル5を目指した「IP for society」。
ホームページに下記のように記載されています。ほぼ同じ内容でした。

競争の知財活動 知財マスタプラン
技術的に優れた機器やシステムをお客さまに提供する事業においては、知財戦略には主に「競争」戦略、すなわち、競合に対する競争力強化・維持を支援する戦略が求められます。従って、技術的な差別化ポイントを守るため、特許権をはじめとする知財権を取得し、これを競合他社に対する参入障壁として活用すること、そして競合他社が持つ知財権による事業リスクを低減することが主要な知財活動となります。
知的財産本部では、その知財戦略を「知財マスタプラン」として策定・実行することで事業の競争力強化を牽引しています。知財マスタプランの策定・実行に際しては、
(1)知財戦略の策定段階で事業戦略を把握し、事業経営に求められている知財の役割を知財活動の目標として定めること
(2)事業経営から求められている知財の役割を適切なタイミングで果たせるよう、事業のマイルストンと同期する知財活動のマイルストンを策定すること
(3)事業部門(経営幹部)と知財部門が一体となって、知財活動のPDCA(Plan、Do、Check、Act)を回すこと、が特に重要となります。これらの活動は、 (一社)発明協会殿の全国発明表彰の3年連続上位賞受賞(うち最上位賞の恩賜発明賞2回)、クラリベイト・アナリティクス株式会社殿の「Derwent TOP100 Global Innovator」の8年連続受賞、にも繋がっています。

協創の知財活動 LUMADA
お客さまやパートナーと協創し、ソリューションを創出・提供する事業においては、協創の知財活動、すなわち、日立が持つコア技術やソリューションの知財を確保し、これをパートナーシップの促進やエコシステム構築のために活用すると共に、お客さまやパートナーと知財の取扱いを定める契約を支援する活動が重要となります。
知的財産本部では、 協創の鍵となるソリューションの創出を知財で牽引すべく、ソリューション(ビジネスモデル)をカバーする発明、および、ソリューションを実現するためのIoT基盤関連発明を強化領域と定め、ソリューション創出の現場である事業部の企画部門や営業部門とともにソリューション創出強化に向けた新たな施策に取り組んでいます。
また、お客さまやパートナーとの協創で生まれる広い意味での知財の取扱いも重要です。例えば、人工知能(AI)を用いた協創の過程で生まれる知財については、その取扱いをお客さまと相談して契約で柔軟に取り決めることが重要です。知的財産本部では、年に200-300件の協創契約支援に関わり、お客さまの知財を尊重し、Win-Winな関係を構築可能な知財の枠組みを提案・策定しています。

 
未来
知的財産本部では、SDGs(Sustainable Development Goals)、Society5.0に向けた社会課題解決に貢献する知財活動にも取り組み始めています。これまでの競争と協創の知財活動に加え、未来社会をデザインし、公共性の高い特定分野に関して知財オープン化を宣言し、社会規範の維持・進化に活用するという新時代の知財活動を提唱しています。いわば社会のための知財(IP for society)という新たな考え方であり、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という日立製作所の企業理念とも通じるものでもあります。具体的な活動は緒についたばかりですが、知的財産本部がリーダーシップを取って検討を進めています。

 
知的財産本部, 日立製作所HP
https://www.hitachi.co.jp/recruit/newgraduate/field-navi/ip/
 
戸田裕二, 2019年度知的財産戦略 2021中期経営計画に向けた新たな知財活動, 日立製作所HP
https://www.hitachi.co.jp/IR/library/presentation/190626/190626-2.pdf
 
水本大介 永井立紀, 日立の社会イノベーション事業を支える知財活動, 日立評論, Vol.101 No.2, P44-48(2019)
https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2019/02/pdf/HY02A01.pdf
 
戸田裕二, 日立の社会イノベーション事業を支える知財活動と知財情報の有効活用, JAPIO YEAR BOOK 2017, P42-49(2017)
https://japio.or.jp/00yearbook/files/2017book/17_a_07.pdf
 
 
戸田裕二, 日立製作所の社会イノベーション事業と知財活動, 産業構造審議会 知的財産分科会 第15回特許制度小委員会 資料(2016)
https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/tokkyo_shoi/document/15-shiryou/03.pdf
 
 
 

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