ライオンは、第37回人工知能学会全国大会(2023年6月6日~9日)で、製品の組成開発での活用を目的にマテリアルズインフォマティクス(MI)を用い、同社研究員の知見を取り入れたデータ駆動型の実験計画手法を新たに確立し、運用を開始、ハミガキの組成開発に応用したところ、実験回数を大幅に削減し、想定の約半分の期間で開発できたという発表を行っています。
様々な製品の組成開発にも本手法を応用していく予定とのことで、なかなか思うような成果がでていないという雰囲気の中で、かなりの成果に見えます。今後の進展を期待しています。 ライオン、組成開発へのMI導入でデータ駆動型の実験計画手法を確立 ハミガキの組成開発期間が約半分に https://bizzine.jp/article/detail/9363 ハミガキの組成開発期間を約半分に短縮 データサイエンスと研究員の知見を融合した新たな実験手法を確立 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000039983.html [4Xin1-41] ベイズ最適化手法を用いた歯磨剤開発の高速化 https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2023/subject/4Xin1-41/tables?cryptoId= 〇稲垣 英輔1、キム リュンヒ1、藤原 優一1 (1.ライオン株式会社 研究開発本部) キーワード:マテリアルズインフォマティクス、ベイズ最適化、歯磨剤開発 近年の消費者ニーズの多様化・高度化に伴い、研究開発領域では、個々の研究員による価値創出の生産性を高めることが重要な課題である。当社においても、過去10年間で取り扱う製品数は約2割増加しており、グローバルな市場成長も見据えた、質の高い製品開発の高速化が求められている。歯磨剤は、一般的に清掃剤、湿潤剤、発泡剤、粘度調整剤、薬用成分など、複数の成分で構成され、各種成分を秤量し、混合・分散を経て作製される。それゆえ、消費者ニーズに寄り添った高品質な歯磨剤の開発には、研究員の経験や知識に加えて、膨大な回数の実験・評価を必要とする系も珍しくなく、検討確度の向上や開発期間の短縮が急務な状況であった。本稿では、歯磨剤開発の高速化に向け、逐次的に条件探索を行う能動学習手法、ベイズ最適化を応用した。研究員のドメイン知識を組み込む手順を効果的に取り入れ、最適化計算された組成の実験を繰り返した結果、想定の半分の検討期間で目標となる物性値を満たす歯磨剤組成を確保した。 マテリアルズインフォマティクス(MI)とは?求められる背景と企業の取り組み事例 https://aismiley.co.jp/ai_news/mi/ ■マテリアルズインフォマティクス(MI)の取り組み事例8選 ●旭化成 ●ENEOS ●横浜ゴム ●トーヨータイヤ ●三井化学×日立製作所 ●住友化学 ●東レ ■キシダ化学
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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