「経営に戦略的に活かす知財情報」というテーマで、9月8日、9日に行われた「PatentSight Summit Japan ONLINE」での二日目の二番手は、住友化学株式会社 知的財産部 業務企画G 企画T統括リーダー 弁理⼠ 坂元 徹⽒で、『住友化学における知財活動〜事業・R&D戦略⽴案に資する知的財産情報解析を目指して〜』というテーマでした。
以下、私のメモです。 知財部内体制を、出願権利化、戦略、対外、調査といった機能別から、事業部門別(石油化学担当G、エネルギー・機能担当G、情報電子化学担当G、健康農業科学担当G・・・)に変えて、三位一体を指向した体制とした。 知財調査解析インフラを整備・拡充(全社に調査解析ツールを展開)し、グローバル知財管理システムへ切替え、IPランドスケープを推進、Patentsightを活用した。 IPランドスケープを活かした経営戦略では、知財部門と研究開発部門が(非知財情報を含む)知財情報の調査解析(①競合のR&D活動調査、②買収先探索、③販売先・顧客調査、④顧客課題・ニーズ調査)を行い、戦略低減、M&A支援、マーケティング提案を行い、相談・ニーズ開示とIPランドスケープのループを行い、経営陣へ提言する。 事例1;スタートアップX社の事業・技術に関心あり、なるべく早く状況を把握したい。 対象事業分野におけるX社のポジション解析(まず、知事以外の事業情報の収集、次いで対応する知財情報の収集と解析、対象事業分野におけるX社のポジション解析<強さ、将来性、優位性など) 事例2;ある特定分野での当社の強みを生かしてアライアンスできるパートナー候補を探したい。事業サイズ、当社の強みの確認、検索集合体作成、要素技術(A,B,C,、・・)vsサプライチェーン(材料、成形、モジュール、・・)のマトリックス作成 アライアンス候補提案(星取表でパートナー候補選別) 事例3:ある特定分野で気を付けるべきプレイヤーを確認したい。出願強化ポイントを探したい。市場予測、業界特有の規制特徴、特許出願動向(要注意プレイヤー)、出願強化ポイント 人材育成は、OJT、コンサルタントによるトレーニング、外部研修下位参加など。 特許権維持判断へAIを活用(AI要⇒信じて維持、AI否⇒人で2次検討)している。 「個々のAIの特徴を見極めながら、目的に応じて適切なものを選択する能力が必要になる」。こう指摘するのは、AIによる自然言語処理機能を盛り込んだ市販の特許調査ツールを活用する住友化学の上川徹知的財産部長だ。 AIの費用は高く性能が低い、調査で判明した課題, 日経コンピュータ, 20190301 https://active.nikkeibp.co.jp/atclact/active/18/020800077/020800004/?ST=act-data&P=2 MIで先陣を切る住友化学、材料開発で驚きの効率化, 日経クロステック,20200807 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00026/00043/ 持続可能な価値創造のための最重要課題7つのうちのひとつ「技術・研究開発の推進」のKPIとして特許資産規模(Patent Asset Index)を採用。 主要取り組み指標「KPI」, 住友化学HP https://www.sumitomo-chem.co.jp/sustainability/management/kpi/ 経営戦略説明会資料, 住友化学HP https://www.sumitomo-chem.co.jp/ir/event/files/docs/191203.pdf 2020年春からサービスが始まる時世台通信規格「5G」。これまで以上の高速・大容量通信が実現できるこの技術を支えるのが、高周波向けの基板の材料「液晶ポリマー(LCP)」だ。 小原擁, 事業開始から約半世紀、5G時代到来で起きた「住友化学の奇跡」, 日経ビジネス, 2020年3月11日 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/030900071/
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著者萬秀憲 アーカイブ
January 2025
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