10月12日特許庁から令和4年度審査の質についてのユーザー評価調査報告書が公表されました。平成24年度から継続されているユーザー評価調査で、年々評価が上がってきていて特許庁の努力の成果が表れています。
今年の評価結果で気になったのが「図 24:国際段階と国内段階との間での判断の一貫性についての評価」で、令和3年、令和4年と2年続けて評価が下がっています。不満・やや不満を合わせた数字が17.8%で、28年以降で最も高い数字になっています。何か要因があるのでしょうか。 『分析の結果、「判断の均質性」、「第29条第2項(進歩性)の判断の均質性」、「国際段階と国内段階との間での判断の一貫性」の項目が、国内出願における特許審査及びPCT出願における国際調査等の全般の質の評価への影響が大きく、かつ相対的な評価が低いことが分かったため、これらを優先的に取り組むべき項目と設定しました。』と記載されており、改善されるものと期待しています。 令和4年度審査の質についてのユーザー評価調査報告書を公表します https://www.meti.go.jp/press/2022/10/20221012002/20221012002.html 令和4年度特許審査の質についてのユーザー評価調査報告書 https://www.jpo.go.jp/resources/report/user/2022-tokkyo.html 令和4年10月12日 特許庁調整課品質管理室 世界最高品質の特許審査を実現するためには、特許審査に対するユーザー(出願人や権利を行使される第三者等)の皆様のニーズや期待を適切に把握することが不可欠であるとの認識のもと、特許庁は、平成24年度より特許審査の質についてのユーザー評価調査を実施しております。 今般、令和4年度調査の結果を報告書に取りまとめましたのでお知らせします。 本報告書は、令和3年度の特許審査・国際調査等全般の質について「満足」、「比較的満足」、「普通」、「比較的不満」、「不満」の5段階で評価いただいた結果を取りまとめたものです。調査は令和4年5月~6月に実施し、回答率は8割を超えました(調査対象715者中607者)。御協力いただいたユーザーの皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。 国内出願における特許審査全般の質についての評価(全体評価)は、「普通」以上の評価の割合が95.7%、上位評価割合(「満足」・「比較的満足」の評価の割合)が61.3%でした。 PCT出願における国際調査等全般の質についての評価(全体評価)は、「普通」以上の評価の割合が97.5%、上位評価割合が59.0%でした。 分析の結果、「判断の均質性」、「第29条第2項(進歩性)の判断の均質性」、「国際段階と国内段階との間での判断の一貫性」の項目が、国内出願における特許審査及びPCT出願における国際調査等の全般の質の評価への影響が大きく、かつ相対的な評価が低いことが分かったため、これらを優先的に取り組むべき項目と設定しました。今後も、法令・審査基準・指針に即した審査を行いつつ、ユーザーへのコンタクト等を通じた具体的な課題の把握、審査官間の協議等を通じた審査官相互の知識の共有を進め、判断の均質性の向上に努めてまいります。 特許庁は、引き続き特許審査の質の維持・向上に努めてまいります。 https://www.jpo.go.jp/resources/report/user/document/2022-tokkyo/2022-tokkyo.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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