関西経済連合会が9月にコーポレートガバナンス・コードの改定を求める提言を公表して、「過度な株主重視や短視眼的な経営が広がらないかという懸念」から、「企業は株主のみならず、多様なステークホルダーを等しく重視すべきとの力強いメッセージが発せられる必要があり、コーポレートガバナンス・コードが全般にわたってその点を盛り込んだ構成となれば、その意義・効果は極めて大きいものと考えられる。」としています。
具体的には、現行が 「本コードにおいて、「コーポレートガバナンス」とは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味する。 本コードは、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたものであり、これらが適切に実践されることは、それぞれの会社において持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のための自律的な対応が図られることを通じて、会社、投資家、ひいては経済全体の発展にも寄与することとなるものと考えられる。」 を、改定案では、 「本コードにおいて、「コーポレートガバナンス」とは、会社が、顧客・従業員・取引先・地域社会・株主と互いに協創し合い、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味する。 本コードは、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたものであり、これらが適切に実践されることは、それぞれの会社において持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のための自律的な対応が図られることを通じて、会社、顧客・従業員・取引先・地域社会・株主、ひいては社会全体の発展にも寄与することとなるものと考えられる。」 としています。 「日本企業の平均的な経営姿勢は株主偏重からは程遠い」という議論もありますが、行き過ぎた株主重視の経営は是正されるべきでしょう。 日本企業は株主軽視か偏重か 2023年11月27日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76379610U3A121C2TCS000/ マルチステークホルダー資本主義に基づくコーポレートガバナンス・コードの提案 https://www.kankeiren.or.jp/material/230911ikensho2.pdf コーポレートガバナンスに関する提言~マルチステークホルダー経営に支えられた新しい資本主義の実現に向けて~ https://www.kankeiren.or.jp/material/230911ikensho1.pdf 社外取締役を増やすことが、よいガバナンスと言えるのか 2023.11.02 https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10031 関経連がCGコードに改訂案、企業統治に公益性重視・自律的な経営を 2023年09月13日 https://newswitch.jp/p/38468 SDGs時代に経営をどう誘導していくか、新時代の企業統治のあり方を追究 2023.07.07 https://www.sophia.ac.jp/jpn/article/feature/the-knot/the-knot-0063/ 米国でも実は「株主第一主義の修正」進む納得事情 新たな企業組織形態を導入する動きも広がる 2023/07/05 https://toyokeizai.net/articles/-/682926?display=b 株主重視経営の意義と問題―イノベーションとコスト競争の相克― https://www.seijo.ac.jp/research/economics/publications/annual-report/jtmo420000000mtr-att/a1507695060813.pdf 2021/06/19 株価最大化を目指す株主価値経営のメリットとデメリット https://the-owner.jp/archives/5775
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著者萬秀憲 アーカイブ
January 2025
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