パテント誌2021年5月号に「医薬品研究における共同発明―オプジーボ特許に関する内外の紛争―」という元大阪大学大学院経済学研究科講師 西口博之氏の論文が掲載されています。オプジーボ特許に関する3つの裁判について概要を理解することができます。
https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3829 要 約 最近の知財紛争に関する話題として,コロナ禍もあり医薬品研究に係わる特許紛争であり,それがノーベル賞受賞者に係わるものであることに拍車をかけている感がある。 その紛争の内容は,三つの内外に亘る裁判事件であり,そのうちの一つは特許権者同士の争いで,目新しいとは言いがたいが,残りの二つの事件は,それぞれ国内外の紛争を代表する様な事件であるとの感じがする。 本稿では,特に発明に係わる大学院生と指導教官の争いと米国との共同研究に関する特許権の争いについて議論をしたい。 現段階では,両方の事件ともに決着がついてはいないが,当事者にとって一勝一敗という状況で今後の裁判の行方が注目されるところである。 とりわけ,昨今の日本の社会では,信じられないことに大学院生と指導教官との争いについては,マスコミの報道もなく,余計に部外者の関心を喚起しているように思える。 目次 Ⅰ.はじめに Ⅱ.オプジーボ開発と共同発明者 1.オプジーボ開発の経緯 2.オプジーボ特許と紛争 Ⅲ.オプジーボ特許に係わる紛争 1.共同研究者間の紛争 2.特許権者間の紛争 Ⅳ.元大学院生による特許持分移転訴訟(令和 2 年 8 月 21 日 東京地裁判決) 1.事件の概要 2. 原告の主張と裁判所の判断 Ⅴ.米ダナ・ファーバー研究所との特許紛争 1. 米ダナ・ファーバーとの交渉経緯 2.米国における訴訟結果 Ⅵ.今後の課題 Ⅶ.おわりに
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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