「「脱炭素」推進に力点 特許を競争力に―エネルギー白書」という記事の中で、「白書は、日本や米国、中国など8カ国の脱炭素に関連する特許数などを分析した結果も盛り込んだ。日本は水素や自動車・蓄電池関連などで強く、これらの知的財産を「産業競争力に変えていく」と強調した。一方、洋上風力や太陽光発電関連の技術力では中国に後れを取っていると警鐘を鳴らした。」という記載があり、「特許数等」というのが気になりましたので、「エネルギー白書」を見てみました。
「脱炭素関連技術の日本の知財競争力」は、アスタミューゼ(株)「令和2年度エネルギーに関する年次報告書に係る脱炭素関連技術の日本の競争力に関する分析作業等」等の分析結果より経済産業省が作成したものとのことで、グリーン成長戦略で取り上げられた14分野について知財競争力を主要国と比較していました。 知財競争力としては、他社からの注目度(他社閲覧回数、情報提供回数など)や他社への脅威度(他社拒絶査定引用回数、無効審判請求回数など)等を評価し、それを各特許の残存年数等と掛け合わせ、国・地域ごとに集計をした指標(トータルパテントアセット)を用いていて、過去10年(2010年から2019年)に、日本、米国、中国、韓国、台湾、英国、ドイツ、フランスの8か国に出願された特許を分析の対象としているということでした。 現在日本の知財競争力の数値が他国を圧倒している「人工光合成」の分野(太陽光エネルギーを使って水から水素を作り出したり、CO2を化学品に変換したりする分野)では、2010年以降に実施された「人工光合成」に関する研究テーマを、配布額が大きい順に上位20件をランキング化すると、20件のうち、米国が12件で最多(計9500万米ドル)、次いで英国と日本が3件ずつ(それぞれ計2300万米ドル、1700万米ドル)となっており、各国が公的な研究開発支出を増加させており、人工光合成分野における国際的な開発競争が激しくなっていることも指摘されており、特許情報だけでなく、その他の情報が加味され分析されていることがわかります。 オールジャパンでの今後の取り組みが期待されます。 「脱炭素」推進に力点 特許を競争力に―エネルギー白書 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021060400303&g=eco 概要(エネルギー白書2021について) https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/pdf/ 第2章 2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と取組 https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/pdf/1_2.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
April 2025
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