8月26日に行われた「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会(第2回)」でのアストナリング・アドバイザー合同会社 三瓶委員(アストナリング・アドバイザーLLC 代表)のプレゼンテーション資料です。 ARM社がビジネスモデルに関連付けた研究開発に関する定量・定性情報を積極的に開示し長期投資家から高い評価を得ていること(ARM Holdings 〜 驚異の持続的成長性と稼ぐ力)、ARM社が、「半導体パートナーに対して、プロセッサー・デザインの技術ライセンスを供与。当該パートナーは、初期費用としてライセンス料を支払うことで、アーム社のテクノロジーを利用し、アーム社のプロセッサー・デザインと自社の技術を組み合わせて、高性能かつ省電力のチップを開発できるようになる。また、アーム社は、アーム社のテクノロジーを使用したチップごとに、販売価格などに基づきロイヤルティー収入を得る。」という知財を価値創造ドライバーとしたビジネスモデルで成功している、ということです。 しかし、2016年以降、被買収により非公開会社化されたことで問題がおきているようです。 R&D投資の価値化分析では、ブリヂストン、コニカミノルタ、旭化成、ソニーグループの分析結果が掲載されています。 企業とのエンゲージメント(建設的な対話)事例では、R&Dが重要な戦略支出である場合や特許技術の競争力が重要な場合は、Product Value分析や特許力評価スコアなどを用い、対話しているようです。 企業に期待する情報開示についても具体的に言及されています。投資家再度からは、「わが社の競争優位性がどこにあるのかは開示できない。」という企業の情報開示姿勢への強烈な批判もあるようです。 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai2/siryou7.pdf 目次 1. 知財を価値創造ドライバーとしたビジネスモデル事例 〜英Arm社 2. 投資家による”情報の非対称性”の克服 3. 企業とのエンゲージメント(建設的な対話) 事例 4. 投資家に伝わる開示 5. 企業に期待する情報開示 SPEEDA【H2Hセミナー】 企業の持続的成長をもたらす知財ガバナンス 2021年9月16日(木)11:00〜12:15 https://jp.ub-speeda.com/seminar/20210916/ 本セミナーでは、知財ガバナンス研究会の全面的な支援を得て、幹事のHRガバナンス・リーダーズ フェロー 菊地 修 氏をお迎えし、シスメックス 知的財産本部 理事・本部長 井上 二三夫 氏と、ブリヂストン 知的財産部門長 荒木 充 氏と共に知財ガバナンスのあり方とその最前線を議論します。 知的財産部門は価値ある情報を司る戦略的な部門として、これを意味ある改革とするためにどのように思考し、アクションを取るべきなのでしょうか。政府でも成長戦略実行計画や知財推進計画2021で、知財投資・活用戦略を推進するためにガイドラインの策定を開始し、国家の変革を成す好機となってきたこの時期に行われる、企業価値を向上させる知財投資・活用戦略とは何か、どのように進めるべきか、産業・経済・業界を越えた対談にご期待ください。
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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