11月27日、公正取引委員会は、「スタートアップの取引慣行に関する実態調査について」の最終報告を公表しました。一方、中小企業庁が取りまとめている、中小企業における知財の重要性の認識向上などの普及支援策を検討するための知的財産取引検討会も、第5回検討会が11月26日に開催され、ガイドラインや契約書ひな形がほぼまとまり、中小企業における知財の重要性の認識向上に係る普及支援策が検討されました。
これらにより、スタートアップや中小企業が置かれている厳しい状況が少しでも改善できるようになればと思います。 公正取引委員会は令和元年6月14日に「製造業者のノウハウ・知的財産権を対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査報告書」を公表し、製造業における中小企業のノウハウ・知的財産権に係る取引について、独占禁止法上問題に該当し得る事例が確認されるとともに、スタートアップが置かれている取引環境についても懸念を示していました。 創業10年以内、非上場のスタートアップ1,447者への書面調査回答、スタートアップ126者,出資者5者,有識者10者,事業者団体3者の合計144者に対して実施された聴取調査をまとめたものです。 結果、スタートアップと連携事業者との取引・契約、スタートアップと出資者との取引・契約、スタートアップと競合他社との関係において,独占禁止法上の観点から問題となるおそれがある行為が確認されたとのことで、公正取引委員会の今後の対応は、下記のとおりです。 ①独占禁止法上問題となるおそれのある行為の未然防止の観点から本報告書を広くかつ速やかに周知していく。 ②独占禁止法違反行為に対しては厳正に対処していく。 ③成長戦略実行計画(令和2年7月17日閣議決定)を受け,本調査結果を踏まえ,スタートアップと連携事業者との各契約における問題事例とその具体的改善の方向や,独占禁止法上の考え方を整理したガイドラインについて,公正取引委員会と経済産業省連名で年内を目途に案を作成し,意見公募手続を開始する。 (令和2年11月27日)スタートアップの取引慣行に関する実態調査について(最終報告) https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/nov/201127pressrelease.html 新興企業への知的財産権提供など不当要求 独禁法違反のおそれ 2020年11月27日 20時36分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201127/k10012734961000.html 新興企業に不当要求、独禁法抵触も 出資者に警鐘 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66759430X21C20A1EA4000 「大手企業、新興の知財搾取」公取委が警鐘 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66618880V21C20A1EA2000 一方、中小企業庁が取りまとめている、中小企業における知財の重要性の認識向上などの普及支援策を検討するための知的財産取引検討会は、第5回知的財産取引検討会が11月26日(木曜日)に開催されました。 ガイドラインや契約書ひな形がほぼまとまり、中小企業における知財の重要性の認識向上に係る普及支援策が検討されており、成果が期待されます。 https://www.meti.go.jp/press/2020/11/20201125001/20201125001.html
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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