特許庁は、2021年1月に、AI担当官と管理職員等から構成され、AI関連発明に関する審査環境の整備を担うAI審査支援チームを発足させ活動していましたが、
9月21日に、10月1日付けで、AI担当官を10名程度から40名程度に増員し、全ての審査室にAI担当官を1名ずつ配置することで、AI審査支援チームの体制強化を行うと発表しました。 ChatGPT等の万人が容易に利用可能な AIの出現によって、今後、これまで以上に幅広い分野で創作過程にAIが利活用されることが見込まれるため、これまでAI技術の活用が見られなかった分野等も含め、AI関連発明の審査をサポートできるような審査体制を整備する必要があるという認識です。 生成AIの成果は、①営業・マーケティング、②ソフトウェア開発、③顧客対応、④研究開発の順に出ると言われており、営業・マーケティング、ソフトウェア開発、顧客対応に関しては、成果が出たという発表が多くなっており、研究開発での成果も出始めていますので、かなりの数の特許が今後も出願されていくものと思われます。 体制の強化により、AI関連発明の効率的かつ高品質な審査で、AIを利活用した特許が産業の発展を阻害するのではなく、促進する方向に進むことを期待しています。 AI関連発明の効率的かつ高品質な審査を実現するため、AI審査支援チームの体制を強化します 2023年9月21日 https://www.meti.go.jp/press/2023/09/20230921001/20230921001.html AI審査支援チームの体制強化について(令和5年9月21日更新) https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/ai/ai_shutsugan_seibi.html 特許庁、AI発明の審査強化 担当官3倍に増員 2023年09月21日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2023092100983&g=eco AI特許、審査体制4倍 自動運転や製薬、出願増 2023年9月21日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74610520R20C23A9PD0000/ 特許庁、AI審査の専門官を4倍に ロボット・バイオ対応 2023年9月20日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA15BTL0V10C23A9000000/ AI関連発明に係る五庁の審査実務に関する資料収集プロジェクト AI 関連発明に関する審査実務 2023 年 6 月 https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/ip5/document/gochou_ai/hikaku.pdf 結果概要 ✓ AI 関連発明の発明該当性については、五庁全てが事例を有しています。(Q7 参照) ✓ AI 関連発明の記載要件については、EPO、JPO、KIPO が事例を有しています。(Q13 参照) ✓ AI 関連発明の新規性については、EPO が事例を有しています。(Q16 参照) ✓ AI 関連発明の進歩性については、EPO、JPO、KIPO、CNIPA が事例を有しています。(Q19 参照) ✓ AI 技術の取扱いについては、いくつかのアプローチがあります。EPO、JPO、CNIPA は、審査基準等に AI 関連発明に特化した項目や事 例を記載しています。KIPO は、AI 技術分野に特化した審査基準を有しています。USPTO は、AI に関する特許の情報をまとめたウェブページを公開しています。(Q2 参照) AI 関連発明の審査実務 付属書 各庁回答 2023 年 6 月 https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/ip5/document/gochou_ai/reply_ja.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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