3月5日に行われた産業構造審議会知的財産分科会 第52回特許制度小委員会の議事録が4月11日に公開されました。「1.AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応について」の部分での中畑委員(One ip 弁理士法人 代表パートナー弁理士)の「予想以上にスピードが速いので、法律や運用が決まる前にそういうのを見つけて実行していった人たちが有利な状態になってしまうということが1つあるかなとは思いました。」発言が気になっています。
実は、中畑委員が紹介されたやり方は、生成AI(Deep Research)がなくとも各社当然やっていることであって、それが簡単にできるようになったということです。生成AIを使うと簡単に短時間で出来るわけで有効に使うと有利になることは当然です。むしろ、今までは大企業が多額の資金とマンパワーを書けてしかできなかったことが中小企業でもできるようになっているということだと理解しています。ところがそれを悪いこととしているような話っぷりなのが気になっています。 4月11日産業構造審議会知的財産分科会第52回特許制度小委員会 議事録 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/tokkyo_shoi/document/index/newtokkyo_052.pdf 『○ 中畑委員 中畑です。お願いします。 今、この分野はすごくどんどん発展していくであろうというようにお話しいただいていたのですけれども、スタートアップの業界でどのような活用の方法がされているのかということを見ると、想像以上に進み方が速いなと思っております。委員の皆様の中で、GP TプロのディープリサーチとかGrok3とか、実際に使われている方がどれぐらいいらっしゃるか分からないのですけれども、これは実際にスタートアップの中にいるエンジニアの方が、こういうことができないかと言われたことなのですが、幾つかの競合の特許の公報のPDFを全部ダウンロードしてきて、それを生成AIの中に入れて、要はこの隙間を埋める発明を生成してほしいと。課題の入力もせず、ただ隙間になっているところを生成してくださいということで、実際にアウトプットをちょっとレビューしたところ、確かにこういう論点があるなと。 それが技術的に効果があるのかないのかというところはまた別の論点なのですけれども、新たに何か発明を生み出すという意味でいうと、隙間を埋めなさいとか、あとはディープ リサーチという既にウェブとして公になっている情報の中から、技術トレンドですとか相手の会社のそれこそ決算資料のところとかも全部読み込んで、この会社が将来来るであろうところとか、技術トレンドも考慮して生成してほしいみたいな内容が、プロダクトとかサービスが決まっていない段階でも、要はポケットがどこにあるのかというのを特許情報とともに生み出してしまうみたいなことが、割とアイデアとしては、エンジニアの方から、こういうのができてしまいますよねというように言われていて、それをあらゆる分野で同時多発的にプログラムを組んでしまえば、それこそ数十万のアイデアというものが、数秒とまではいかないのですけれども、10分、15分というレベルで出てきてしまうというような状態にはなっているのです。 なので、そういう発明を、先ほど田村先生がおっしゃっていたように、出願のときの発明と認めるのか、引用発明と認めるのかという議論はいろいろしていかなくてはいけないかなと思っているのですけれども、予想以上にスピードが速いので、法律や運用が決まる前にそういうのを見つけて実行していった人たちが有利な状態になってしまうということが1つあるかなとは思いました。 なので、論点というよりかは、進め方は割とスピード感を持って行っていったほうが、法制度というところでの有利不利みたいなものをできるだけ少なくできるのかなと思いました。 以上です。』 AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応 8/3/2025 https://yorozuipsc.com/blog/ai7184568 Minutes of the 52nd Patent System Subcommittee The minutes of the 52nd Patent System Subcommittee of the Intellectual Property Committee under the Industrial Structure Council, held on March 5, were released on April 11. In the section titled "1. Appropriate Responses in the Patent System in Light of the Advancement of AI Technologies," a comment by Committee Member Mr. Nakahata (Patent Attorney and Managing Partner at One IP Patent Attorneys) caught my attention. He said, "Since the pace is faster than expected, those who find and implement such approaches before the laws and operational frameworks are established may end up with an unfair advantage." What caught my attention is that the method introduced by Mr. Nakahata is something companies have naturally been doing even without generative AI (like Deep Research), and what has changed is simply that it's become easier to do. With generative AI, these tasks can be done more easily and in less time, so it's only natural that those who use it effectively would gain an advantage. Rather, I understand this as a shift where small and medium-sized enterprises can now do what used to be possible only for large corporations with substantial financial and manpower resources. However, the way it was presented made it sound like a negative development, which I found concerning.
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著者萬秀憲 アーカイブ
April 2025
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