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​生成AIを活用した
知財戦略の策定方法

おわりに――知財担当者が切り拓く未来

21/3/2025

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おわりに――知財担当者が切り拓く未来
「知財×生成AI×ROIC」で企業価値を創造する戦略パートナーへ
本書を通じて、企業が保有する知的財産(無形資産)と、近年急速に進化を遂げる生成AIを掛け合わせ、さらにそれらをROIC(投下資本利益率)という経営指標を軸に結びつけることで、いかに企業価値を飛躍的に高める戦略が構築できるかを検討してきました。技術革新が激しく、グローバル競争も熾烈化する現在、多くの企業にとって有形資産より無形資産が価値創造の要となる時代が訪れつつあります。その中心にいるのが、日々の権利化やリスク管理に携わる知財担当者の皆さんです。
1. 本書が描いてきたステップ
  • 第1~第3章で、「知財・無形資産ガバナンス」と「ROIC」基礎、「生成AIの活用フレームワーク(ROIC逆ツリーへの組み込み)」「知財活動のKPI設定」などを整理し、理論面の土台を築きました。
  • 第4~第6章では、具体的に「売上拡大」「コスト削減」「投下資本効率化」という3つの柱から、生成AIと知財投資の融合がどうROICを上げるかを解説しました。特許戦略やライセンスビジネス、ブランド強化、クロスライセンス交渉、オープンイノベーションなど、多岐にわたる施策が見えてきたかと思います。
  • 第7~第9章では、長期投資のタイムラグをどう評価・説明するか、ステージゲート方式やDCF/NPVなどのフレームで「現在のROIC」と「未来のROIC(As IsとTo Be)」を対比しながら、経営トップや投資家との対話を成功させるポイントを整理しました。
  • 第10章では、DXやグローバル競争、サステナビリティといった大きな潮流を踏まえ、今後の知財戦略・知財ガバナンスがどう進化すべきかを俯瞰しました。
2. “経営を動かす戦略パートナー”としての知財担当者
本書の繰り返しのメッセージでもありますが、いまこそ知財担当者の役割が、単なる特許出願管理や契約書レビューを超えて、企業競争力を左右する“経営の司令塔”になり得るのです。その背景には、以下のような現実があります。
  1. 無形資産が企業価値の核
    • 製薬やハイテク、IT企業だけでなく、多くの業種でブランド、デザイン、ノウハウなどが差別化要因に。
    • 売上や利益の大部分を、特許やブランド力によって支えられている企業も珍しくなくなった。
  2. 生成AIが創造と効率化を同時に促進
    • AI創薬や画像生成、特許クリアランス自動化などで、研究・開発・マーケ・法務を一気に加速。
    • AI生成物への権利付与やデータ利用ルールは流動的であり、早期に体制を整えれば大きな先行者メリットを得やすい。
  3. 投下資本(分母)の管理がROICを左右
    • 知財戦略が上手くいけば、不要な投資を抑え、研究・ライセンス費用も最小化できる。
    • 投下資本が最適化されれば、利益率が同程度でもROICは大きく変動する。
  4. 投資家・社会からの要請
    • ESGやサステナビリティ観点から、知財ガバナンスや無形資産の活用状況を開示する企業が評価される。
    • グローバル展開や模倣品対策にも知財が不可欠であるため、経営トップにとって知財戦略は不可回避のテーマとなりつつある。
こうした潮流の中、「知財×生成AI×ROIC」を駆使できる人材・組織こそが、企業が新たな収益モデルや競争優位を築く主役になれるのです。
3. 今後に向けた実務上の着眼点
  • (A) “ROIC逆ツリー”の運用を定着させる
    • 社内でROIC逆ツリーが共通認識となるよう、定期的なアップデートやワークショップを開催。
    • 生成AI活用実績を都度追加し、知財投資の効果を見える化し続ける。
  • (B) 部門横断のハブとして機能する
    • 知財部門が研究開発・DX推進・法務・財務などを繋ぎ、長期投資やグローバル展開などの社内合意形成をリード。
    • 投資家説明も経営企画だけでなく、知財担当者が積極的に参加し、リアルな“物語”を語る。
  • (C) グローバル&サステナビリティ対応の強化
    • 海外拠点や外部パートナーとの連携体制をAIツールで整備し、国際的知財マネジメントを進化。
    • グリーン特許や環境技術を重視し、ESG投資家へのアピールを強化。
4. “未来”を切り拓くのは知財担当者の手に
これからは企業だけでなく社会全体が、デジタル技術とイノベーションを求めています。AIやロボティクス、バイオテクノロジーなどの領域で知財戦略を成功させる企業は、世界的な存在感を放ち、株式市場でも高評価を得やすいでしょう。その時、最前線に立つのは「企業内部の知財担当者」です。
  • 生成AIが示す無数のアイデアをどこに投資し、どれを捨てるかを判断する。
  • 研究開発部門やマーケティング部門と協力し、ブランド・デザイン・技術権利化を素早く進める。
  • 侵害リスクやコンプライアンスを管理しながら、オープンイノベーションやライセンス戦略で大きな価値を創出する。
  • そして、その成果をROICを軸に社内外へ説明し、さらなる投資を呼び込む。
こうした一連の流れをドライブする役割を担うのが、まさに「知財×生成AI×ROIC」で武装した知財担当者にほかならないのです。


本書を締めくくるメッセージ
  • 知財担当者の皆さんへ: いまこそ「経営を動かす戦略パートナー」へと役割を拡張する絶好の機会です。本書で紹介したフレームワークや具体的事例をヒントに、ROIC逆ツリーや生成AI活用を自社の実務に取り込み、短期から中長期にわたる企業価値創造のストーリーを描いてください。
  • 経営トップや投資家の方へ: 知財部門を単なるコストセンターではなく、企業変革を推進するコア部門として位置づけることが、これからの競争に勝ち抜くカギです。生成AIと無形資産ガバナンスの連携が、長期的にROICを高め、強固な競争優位を築く源泉となるでしょう。
  • 社会・コミュニティへ: AI技術や知財ガバナンスは、イノベーションを通じて社会課題を解決する可能性を秘めています。サステナビリティやグローバル課題への取り組みとリンクさせることで、企業・経済全体が持続可能な方向に進むはずです。
無形資産の価値がますます高まり、生成AIによる技術革新がさらに加速する時代――その時代を切り拓く主役のひとりが「知財担当者」であることを、本書を通じて再確認していただければ幸いです。企業が抱える課題も、社会の複雑な要請も、“知財×生成AI”という新たな視点から解きほぐし、ROICを軸に企業価値を持続的に高める――その挑戦が、まさにこれからの未来を形作っていくのです。
本書を結びとし、読者の皆さんがこの潮流を捉えて実践への一歩を踏み出し、知財活動を通じた新時代の価値創造を存分に楽しんでいただけることを心より願っています。
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    Author

    萬 秀憲

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    March 2025
    February 2025

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