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​特許の読み方

特許の読み方(1) 特許公報

1/8/2020

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これまで特許に接することがなかった、あるいは、接することが少なかった初心者の方々を対象に、特許の読み方について、何回かに分けて説明していきます。
​

 特許は、公開することと引き換えに権利が与えられるものですので、特許を出願した後に1年半経過すると公開されます。「公開特許公報」です。特許が成⽴した後には「特許公報」が発⾏されます。
​ 特許が権利化できなかった場合は「公開特許公報」だけ、権利化できた場合は「公開特許公報」と「特許公報」で出願後2回公報が発⾏されることになります。
 日本では、法律では両者を単に「特許公報」(特許法66条3項、特許法64条2項)と呼んでいますので、まぎらわしいですね。ここでは今後、「公開特許公報」を「公開公報」、「特許公報」を「登録公報」と呼び、区別することとします。
 ※ちなみに、無料の特許情報検索システムである「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」でも、「公開特許公報」を「公開公報」、「特許公報」を「登録公報」としています。)

特許法第66条(特許権の設定の登録)
3 前項の登録があったときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。ただし、第5号に掲げる事項については、その特許出願について出願公開がされているときは、この限りでない。
一 特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 特許出願の番号及び年月日
三 発明者の氏名及び住所又は居所
四 願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
五 願書に添付した要約書に記載した事項
六 特許番号及び設定の登録の年月日
七 前各号に掲げるもののほか、必要な事項

第64条(出願公開)
1 特許庁長官は、特許出願の日から一年六月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。次条第1項に規定する出願公開の請求があったときも、同様とする。
2 出願公開は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。ただし、第4号から第6号までに掲げる事項については、当該事項を特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるときは、この限りでない。
一 特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 特許出願の番号及び年月日
三 発明者の氏名及び住所又は居所
四 願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
五 願書に添付した要約書に記載した事項
六 外国語書面出願にあっては、外国語書面及び外国語要約書面に記載した事項
七 出願公開の番号及び年月日
八 前各号に掲げるもののほか、必要な事項

(注意:特許公報を目立つように赤太字下線付きに筆者が変更しています。)

「登録公報」の例を示しました。
Picture
1.登録公報
 登録公報のほうから見てみましょう。私が発明者である登録公報です。もちろん、他に何人かの協力者がいましたが、発明者としては私一人になったケースです。
 登録公報の表紙には、書誌的事項と言われる様々な情報が記載されています。
 右上隅に記載されている「(11)特許番号」(本件では4240281号)、その下にある「(24)登録日」(本件では平成21年1月9日)、この登録日から権利が発生しています。
 左側にある「(22)出願日」(本件では平成14年9月4日)、この日から20年で特許権の存続期間は終了します。右側には「(73)特許権者」「(72)発明者」が記載されています。
以上が、書誌的事項と言われる部分ですが、登録公報には、引き続き、実体的事項と呼ばれる部分が記載されています。【特許請求の範囲】、【発明の詳細な説明】、【図面】です。
 「(57)【特許請求の範囲】」は、「クレーム」とも呼ばれ、【請求項1】、【請求項2】のように記載され、法的な特許の権利範囲を示すものとなり、極めて重要な記載となります。

 【発明の詳細な説明】で、この部分が「明細書」と呼ばれる発明の詳しい説明部分になります。法的な特許の権利範囲を示す【特許請求の範囲】だけでは権利範囲がよくわからない場合は、この部分の記載を参考にして権利範囲を解釈します。
 最後に【図面】があり、言葉だけではわかりにくいところを補っています。
「公開公報」の例を示しました。
Picture
2.公開公報
 先ほど示した公開公報は、特許公報と同じ特許で、私が発明者である公開公報です。
 表紙には、書誌的事項が並びますが、やはり「(22)出願日」(本件では平成14年9月4日)が重要です。特許が登録されるかどうかの審査の基準日がこの日になります。新規性、進歩性については、あとで説明しますが、この日以前に公然と知られていた事項と同じであれば新規性なしとして拒絶されますし、この日以前に公然と知られていた事項とあまり差がなければ進歩性なしとして拒絶されますので、この日は非常に重要です。
 次に重要なのが、右上隅の「(11)特許出願公開番号」(本件では特開2004-99634)の下にある「(43)公開日」(本件では平成16年4月2日)です。公開されることにより、この公開日の後から他者が同じ内容の特許を出願しても登録されることが避けられます。
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    萬秀憲

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