3月5日に行われた産業構造審議会知的財産分科会 第52回特許制度小委員会では、「AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応について」、「国際的な事業活動におけるネットワーク関連発明等の適切な権利保護について」が議論されました。
「AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応について」では、特に、オンラインで出席の中畑委員の発言、その通りだと思いながら聞いていました。 以下、メモから書いたものですが、同様のことは私自身も経験していますので、中畑委員の発言を自分の経験と重ね思い込んでしまっている可能性もあり、正確性を欠いているかもしれません。ご容赦ください。 「・スタートアップの業界でどのような活用方法がされてるのを見ると、想像以上に進み方が早いと思っている。 ・スタートアップの中にいるエンジニアが、競合の特許公報のPDFを全部ダウンロードしてきて、それを生成AIの中に入れて、この隙間を埋める発明を生成してほしいっていうだけで課題の入力もせず、ただその隙間になってるところを生成してくださいっていうことで、実際にアウトプットしたのをレビューしたところ、確かにこういう論点あるなっていうものになっている。 ・それが技術的に効果があるのかないのかっていうところはまた別の論点だが、新たに何か発明を生み出すという意味で言うと、隙間を埋めてくださいとか、あとはDeepResearchを使って、Web情報として公になっている情報の中から、技術トレンドとか、相手の会社の決算書とかも全部読み込ませて、この会社が将来くるであろうところとか、技術トレンドも考慮して生成してほしいとかの内容が、プロダクトとかサービスが決まってない段階でも、要は隙間がどこにあるのかっていうのを特許情報とともに、生み出してしまうことが、生成AIでできてしまう。 ・それをあらゆる分野で同時多発的に、ちょっとプログラム組んでしまえば、それこそ数十万のアイデアっていうものが10分とか15分とかっていうレベルで出てきてしまう、そういう状態になっている。 ・予想以上にスピードが速いので、法律や運用が決まる前に、そういうのを見つけて実行した人たちが、有利な状態になってしまうことがある。 ・割とスピード感持って制度をつくらないと、そういうところでの有利不利みたいなものができる。」 実は、このやり方は、生成AI(Deep Research)がなくとも各社当然やっていることであって、それが簡単にできるようになったということです。生成AIを使うと簡単に短時間で出来るわけで有効に使うと有利になることは当然です。確かに、いろいろ生成させて公知化することで特許化が難しくなる可能性、いろいろ生成させて権利化して独占する可能性が高まります。AI技術の速い進化を把握したうえでの議論を期待しています。 産業構造審議会知的財産分科会 第52回特許制度小委員会 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/tokkyo_shoi/52-shiryou.html 日時:令和7年3月5日(水曜日)14時00分開会 会場:特許庁特別会議室(特許庁庁舎16階)+Web会議室 議事次第 AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応について 国際的な事業活動におけるネットワーク関連発明等の適切な権利保護について 特許制度に関する検討課題について https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/tokkyo_shoi/document/52-shiryou/01.pdf Appropriate Responses in Patent Systems Considering Advances in AI Technology During the 52nd Patent System Subcommittee meeting of the Intellectual Property Subdivision of the Industrial Structure Council, held on March 5, discussions took place on "Appropriate responses within the patent system considering advances in AI technology" and "Appropriate protection of rights related to network inventions in international business activities." Regarding "Appropriate responses within the patent system considering advances in AI technology," I particularly noted the remarks made online by Committee Member Nakahata, feeling that his comments resonated exactly with my own views. The following notes are based on memory, and since I myself have similar experiences, it is possible I may unintentionally blend my own experiences with Mr. Nakahata’s remarks, potentially affecting accuracy. Please forgive any inaccuracies.
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著者萬秀憲 アーカイブ
March 2025
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